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美しい日本の文化☆【お花見】のはなし

美しい日本の文化☆【お花見】のはなし

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今回は【お花見】についてのお話です☆

春の行楽といえば、美しい桜を愛でるお花見ではないでしょうか。
今回はお花見にまつわるお話で、ひと足先に春を感じてください。

お花見の歴史は古く、奈良時代に遡ります。当時編纂されたとされる万葉集には、桜を詠んだ歌が四十三首に対し、梅の歌は百十首も残され、新元号「令和」の典拠となった部分にも「梅花の宴」での歌が集められていることから、貴族の間では桜ではなく梅を鑑賞しながら歌会が催されていたようです。

桜の花でお花見をするようになったのは平安時代頃からで、鎌倉時代には武士階級へ、江戸時代には庶民にも広がり、桜の下でお酒や食事を楽しんだり、歌を歌ったりして、行楽として根付いていきました。中でも、豊臣秀吉(1537~1598)が安土桃山時代に主催した盛大なお花見は、花見が宴会行事として定着するきっかけになったといわれています。1594(文禄三)年の「吉野の花見」は、徳川家康、前田利家などの武将や、茶人や公家など総勢五千人で、五日間にわたって茶会や歌会、お能の会を行ったそうです。また、1598(慶長三)年の京都醍醐寺での「醍醐の花見」では、花見のために約七百本の桜の植樹や、殿舎、庭園の改修、造営まで行われました。天下統一を果たして最晩年を迎えた秀吉が、戦のない世の中での願いを、このお花見に込めたのかもしれません。

桜の魅力は、花の姿かたち、散りようの美しさだけではなく、その香りにもあるでしょう。春になると、桜餅を代表とする桜風味のお菓子がよく登場しますね。桜の上品な香りは、「クマリン」という成分によるもので、抗菌やリラックス効果をはじめ、血圧降下や咳止め、二日酔い防止作用もあるとされています。家族や仲間と過ごす心地よいひとときは、心身ともに良い影響があったのですね。

お花見が好きなのは、現代を生きる私達にも受け継がれているようで、春が近づくと美しい桜が思い浮かんできます。

2021年の今年は、いつものように皆で集まっての盛大なお花見は難しいかもしれませんが、色んなスタイルのお花見があっても良いのではないでしょうか。通勤・お買い物の途上で桜並木をちょっと眺めてみたり、お家で飲むお茶に桜の花びらを一片浮かべてみたり・・・。
それぞれの生活様式に合わせて今年もお花見を楽しんでみたいですね!

最終更新日 2021年03月16日(火)